「ぼっ、僕のことが好きならっ、正直に言いたまえ!」
「……は…」
「中央学院の生徒ってことは知ってるぞ…!アルバイトは火曜日と木曜日と土曜日の17時から21時まで、平日は本屋さんか図書館に寄って16時40分まで時間をつぶしてるよねっ!
最近は火曜と木曜だけにしてるの?きみに会えなくてすごく寂しかったんだあ…」
なに、なにを…言っているの。
どうしてそこまでしっかり把握してるの。
あなたに教えた覚えはないし、すべてに不信感。
「あああっ、あとっ、いつも一緒に帰ってる男は誰だ!僕に内緒でそんなことして…!
まさか彼氏だなんて言わないよね…?旦那に内緒で密会だなんて許さないぞ!」
「あ、あの……、だれかと…間違えて、いませんか…?」
「なにを言う!僕だけのツムギちゃんっ」
そう言って、男がポケットから取り出したスマホ。
ロック画面に設定されている画像は、私と同じ髪型をして、私が着ている制服と似た制服姿のアニメキャラクターだった。