「はっ…、はあ……!」



入り込んだ場所まで来ると、妙に凍てついた静けさに迎えられる。

人通りもないトンネル道は、入ってから私に後悔を覚えさせた。


コツン、コツン、コツン。



「っ…!!!」



どうしようまだ来てる……っ!


とりあえずトンネルを抜けなくちゃ、抜けなくちゃ。

無我夢中に走って、ちょうど抜けたところ。



「きゃっ…!」



ズサッッと、小石につまずいては転んだ。


泣いてる暇なんかない。
逃げなくちゃ、逃げなくちゃ。

追っ手は小走りに向かってきている。



「はっ、はあ…っ」



たどりついた小さな公園。

ベンチがポツンポツンとある程度で、それは空き地と言ったほうが正しい。


撒けたかは分からないけれど息を整えていたときだった。


────パシッ。



「っ!!やっ…」



とうとう掴んできた、生暖かい手。

ぞわりと全身から放出される嫌悪感、恐怖。