「結多だよね…?久しぶり~!」


「…………」


「あたし南校に通ってるの。結多はその制服、もしかして中央学院?」


「…………」



私の視線、またまた地面へと。

どうして彼女じゃなく私が結多くんとふたりで歩いてるんだろうって、変だよそれはって、笑っちゃいたくなる。


それくらい可愛い女の子がいるから、私はもしかするとあと3秒で消えるかもしれない。


身長もちょうどいい。
軽く巻かれた長い髪はふわふわだ。

大きな瞳、くるんっと上がっているまつ毛。



「結多、また格好よくなっちゃったね~」


「…………」


「結多?ふふ、あたしもう中学のときのことなんか気にしてないよ?」


「…………」



まさかの結多くん、ログアウト。

こちらが不安を感じるほど、ノーリアクション。


中学のときのこと……。


まさか、とは思ったけれど、彼女の風貌は私に正解を与えてくれる。