そしてこの姉も、だてに19年間俺の姉として生きていない。

体勢を変えて座り直した俺の頭、ポンポンと叩きながら隣に腰かけてきた。


俺ってそんな分かりやすいのかマジか。


まあ確かに最近の俺は家でもこのみちゃんこのみちゃん言う回数をセーブしてはいるけど。



「大食いバトル観ていい?」


「……あい」


「よし」



姉と弟・交渉成立。

としても、俺って姉ちゃんにどれくらいこのみちゃんのこと話してたっけ?


俺の初恋相手ってのは知ってるだろうけど、このみちゃんの素晴らしさを3日5晩語った記憶はない。



「んー、ほら、人って止まらない生き物だからね。急に想像もしてなかったことやり始めたり、いろんな人と関わり出したり。そーいうのあるよね」



うわ、やべえ。

ちょうど俺の触れて欲しくないとこグサグサぶっ刺してくるとか恐ろしいかよ。