結多side




「来い、結多」


「うおおおああありゃああああ!!!!……あらっ?」



勢いよく向かうは俺。

待ち構えているティーチャーの襟を掴みにかかったはずが、くるっと足を引っかけられてからの、すてんっ。


腕を取られて足を取られて、ティーチャーお得意の絞め技。



「……いたいいたい、クソ痛いよティーチャー」



完全なる敗北。

ギブ、ギブ、と、とんとん叩いて知らせれば力は緩まった。



「……どうした結多。隙だらけだわ静かすぎるわ、最近のおまえは面白くないぞ」



面白くないとは解(げ)せない。

このティーチャーは俺を絞め固めることに面白さを見出してんの?


しっかり朝と放課後の部活に参加してスタンプも増えて、部長さんからは「正式入部したらどうだ?」なんて言われるくらいになってはいる俺なんだけども。