それも2回目で、あのときよりも心臓はバクバクとうるさい。



「ねえ、このみちゃん」



そんな私が聞いていちばんホッとする声で呼ばれた名前。


優しくて、甘い。
甘くて、鋭い。

それは私だけにしてって、女の子みんなを欲張りにさせてくる顔が隣にあった。



「今すぐにでも時間戻したくてたまんないよ俺。こんなの本気でタイムマシン探したほうが効率的じゃねえのとか、とうとうそんなアホなこと考え出してる」


「……ごめんね、超能力の本…、なかなか見つけられなくて」



うん、私も戻したい。

それを言えなかった私はやっぱり、消極的チャンピオンだね。



「おかえりこのみ。今日もお疲れさま~」


「…お母さん、タイムマシンってどこにあるかな…」


「………数日間くらい押入れのなかで寝て、机の引き出しでも見てみたら…?」


「……うん」



帰宅早々、お母さんを困らせた。