そこは疑っていないよ。
だって結多くん、放課後も忙しくしているから。
いつもなにしてるのかな…。
ちょっとだけ気になる。
でも、結多くんだから。
たくさんお友達もいるし、みんなに誘われているひと。
「終わるの何時なんだい」
「あと…、20分くらい…です」
「クソあぶねえ。夜道は恐ろしいの知ってる?」
「……うん」
「わあ、知っててこの時間。黒ひげ危機一発の1回目でさっそく飛ばしたくらいの衝撃と驚きがあったぜ今。…待ってるね俺」
結局、イートインスペースに長居していることを指摘できなかった。
何ひとつ変わらなかった状況に、とりあえず谷さんには苦笑いを決め込む。
アルバイトは21時まで。
着替え終えて外に出た私の前、「お疲れさま、このみちゃん」と言って飲み物までくれてしまった。