変わってみたいの。

今まで“自分にはできない”、“仕方ない”って思ってたことを、根本から変えてみたい。

やってみなきゃわからないって、思ってみたい。



「私…、なにか新しいことをしてみたい」


「このみ、なにかあった?」


「……そんなに…変かな…?」


「そうじゃなくってね。なんか、生き生きしてるのよ最近」


「…!」



やってみなさい、と。
お母さんは微笑んでくれた。


たとえ太陽にはなれなかったとしても。

蟻には足がついているから、少しだけ高いところになら上っていくことができる。


ううん、ほんとうは。


私、結多くんに“かわいい”って思われたいのかもしれない。



「うん、採用かな。じゃあさっそく明日からでも大丈夫?」


「あっ、えっ、大丈夫です!」


「よろしくね。朝比奈さんとシフト被りそうな高校生はー…っと、ひとり男の子がいるかな。その子にもよろしく頼んでおくから」


「よ、よろしくお願いします…!」