婚約者へのマイナスな大告白は、死刑まで一直線の愚策ではあるがスッキリはした。


誰がサーシャを信じなくても、婚約者のルシテだけはサーシャの話を聞くべきだった。それが婚約者の役目だったはずだ。なのに、こいつは真っ先に死刑にしようと言った。


死刑になろうが、絶対許さない。アンタなんてこっちから捨ててやると言ってやろうとしたのに、先を行かれた。


「お前なんて婚約破棄だ、この異端者め!」


先に言いたかった!と口を開いたままのサーシャは、婚約者の捨て台詞を聞かされるハメになった。


「異端者が生きてて何か意味あんのかよ!迷惑なだけだろ。さっさと死ねよ!」


幼馴染である婚約者に酷い台詞とともに婚約破棄を突き付けられたサーシャは、降伏を示すために上げていた手をダランと下げた。拳を握り締め、怒りに震える唇で許せない言葉に言い返す。