追放死刑を受けてこの滅亡の国にやってきたサーシャは、化け物として生まれた意味を探し求めていた。


今、愛しい夫と、守るべき子を得たサーシャには、その意味がハッキリと見えていた。


「化け物じみたこの力は、カルラ国を救うためにあったと断言できます。でも、私が生まれた意味は」


薄紅色の瞳に凛とした輝きを灯らせて、サーシャは最愛の夫を見上げた。


「愛し、愛され、生きていく。ただ、そのためです」


強い意志が宿るその瞳に、レオナルドはサーシャに初めて胸が鳴いた日を思い出した。


「俺の妻、かっこいい。好き、愛してる、いっぱい抱きたい愛したいキスしたい!」

「もう、レオさんってそればっかり」


レオナルドは凛と前を向いて生きていく姿が魅力的な妻に、衝動で口づけた。


「んん!このキスはとびっきり甘いですね!」

「まだまだ甘くできるけど、今夜、幸せでお腹いっぱいにしてもいい?」

「ふふっ、レオさんに救われたこの命です!レオさんに捧げます!」


サーシャは屈んだレオナルドの頬にちゅっとバードキスを贈って快諾する。

毎夜毎夜と甘さが増す夫からの求愛は留まることを知らず、サーシャは毎日幸せでお腹いっぱいだ。






【完】