サーシャはジオを高々と抱き上げてくるくる回す。


「ジオえらい!ジオすごい!」

「さーゃ!」

「ジオ天才!ジオかわいいー!!」


サーシャの腕でくるくる浮かばされるジオが、レオナルドと同じ銀色の髪をふわふわなびかせてキャッキャ無邪気に笑う。金色の穀物畑の中で、愛する妻と愛する息子が幸せに笑う姿に、レオナルドは幸せでお腹いっぱいだった。


レオナルドは妻子の側に飛んで行って、逞しく大きな腕で二人を抱き締めた。


死ぬまで全霊で守ると誓った二人を強く抱く。


彼らを腕に抱くとレオナルドが大いなる力を持って生まれた意味は「彼らを愛し、守るため」だと明確になった。


ジオを肩車したレオナルドがサーシャの手を握って、広大に広がりつつある金色の畑を見つめた。己の生まれた意味が明確になったレオナルドは妻の生まれた意味も聞きたくなった。


「サーシャ、お前の生まれた意味って見つかった?」

「もちろんです」