金色のぷちぷち畑の中で、サーシャが涙ぐんだ。


レオナルドは呆気に取られたまま、ジオの小さな手を優しく手の中に仕舞った。大事に大事に包み込んで、その小さな手を額につけた。またも舞い降りた奇跡の尊さに目を瞑る。


「盾魔法……」

「そうです、レオさん。ジオは盾魔法が使えるんですよ!」


サーシャがジオとレオナルドを両腕に抱き締めて、素直に泣いた。人間が大地を汚し、大地を流れる魔力を穢して、魔法が使える子が生まれてこなくなってしまった。


「みんなが待ち侘びた魔法が使える子ですよ!」


鉄砲を捨て、大地を敬い、自然との共存を選んだカルラ国に、また魔法が使える子が生まれてきた。大地に清浄が戻りつつある証拠だった。

盾魔法が使える子が生まれてくれば、100年と約束されたカルランの盾魔法が消える日が来たとしても、生きていける。


レオナルドとサーシャの間に生まれたジオはまさしく、次世代の大いなる希望となった。