生命力あふれる金色のぷちぷち穀物畑を背景に、サーシャは瑞々しく薄紅色に笑う。


母となっても、サーシャはあいかわらず素直な笑みを絶やさず、母性をも備えた輝きはますます増してレオナルドの胸を鳴かせ続けていた。

サーシャが目を爛々と輝かせて、腕に抱いたジオを父親であるレオナルドの前に差し出した。


「ジオ、レオさんにご挨拶してー?」

「れお!」


サーシャが声をかけると、舌足らずなジオがと呼びかける。レオナルドは完璧に整った顔を崩して目元をゆるゆる緩ませて締まりのなく笑い、ジオがばたつかせる小さな手に触れようとした。


すると、ジオの小さな手と、レオナルドのぶ厚い手の間にバチンと触れられない壁が立ちはざかった。


「マジかよ」


静電気のような小さな衝撃に、レオナルドは落雷を受けたかの如くの衝撃を受けた。


「マジですよレオさん!!」