レオナルドが逞しい腕でサーシャを強く抱き締めて愛しきって熱を吐き出した後、サーシャはレオナルドの頬を撫でて、泣きながら薄紅色に笑った。全てを許してくれるような優しい笑みだった。


「私、生まれてきて良かったです」


サーシャの言葉がレオナルドの胸を突いて、不覚にも目頭が熱くなってしまった。レオナルドは涙を誤魔化して、サーシャのささやかな胸の柔らかさに顔を埋めて何度も頷いた。


「俺も、生まれてきて良かった」


異端者と呼ばれ、化け物と呼ばれ、生まれた意味に悩んだ二人は、今この瞬間、生まれたことに感謝して抱きしめ合った。