感極まって涙を零すサーシャを気づかって、汗ばんだレオナルドが見下ろして頬をすり寄せる。サーシャはレオナルドの首に抱きついて首を横に振った。
愛する人と重なって、愛に満たされて、幸せだった。
「レオさん……幸せでお腹いっぱいなんて初めてです」
「また可愛いこと言う……可愛い。サーシャ、全部可愛い、全部愛したい」
レオナルドは初めて重なる彼女の肌と中身の熱さに魅了され続けた。一つになって抱き合って、サーシャの涙も可愛くてレオナルドは熱に浮かされる。
サーシャが必死でレオナルドの固い体に抱きついて愛しさを伝えてくればくるほど、この国の短さが切なかった。サーシャを愛せる時間があまりに少ない。
「サーシャ……ッ、この世界で、お前だけを愛してる」
レオナルドの焦燥がまた、サーシャを抱く腕を昂らせた。