王様姿のレオナルドが、国民に敬意を表して床に膝をついてお辞儀をする。すると、国民もそろって床に膝をついて、王に頭を垂れた。誰もが左胸にコンコンと拳を打った。


「お前らを守り切れなくて、本当に申し訳なかった」


王の真摯な謝罪を最後に、国民は涙を零して立ち上がり、1人、1人とホールを後にした。


誰も憎み合わず、罪を押し付け合うこともせず、カルラ国は静かに袂を分かった。


王様の仮面を筆頭に、この国にはカルラン様からの教えが根づいている。


『隣人を大切に』だ。