感激の情動に身を任せたレオナルドは、サーシャを高い高いして振り回し始めた。テントの天井にサーシャの頭が余裕で擦ってしまう。上背のあるレオナルドからすると、背の低いサーシャは軽くて羽のようだ。


「こんな特殊な魔法、俺初めて見た!」


レオナルドがスープを完食したのを見て、今度は団長がそのスープをあっという間に完食した。イケオジの顎髭にスープがえっちに垂れて首筋まで濡らした。


「うめぇえええ!!」


レオナルドと団長がハイタッチして抱き合って喜び合う横で、サーシャもぎゅっと両手を握り締めて喜びを共有した。置いて行かれたルテはまだ呆気にとられたまま一人で呟いた。


「無から有を生み出すなんてそれは……神業よ?」