もうほぼ失敗に終わりかけているこの任務が終わったあとを、レオナルドは危惧せずいられなかった。


ますます国の民を愛してしまったレオナルドは、ただ滅びゆくことは受け入れがたい。暴力的な魔法を振るって他国を侵略する道が近づくばかりだ。


サーシャはごろんとレオナルドの方を向いて寝転がり、星空より美しい彼の顔を優しく撫でた。


「レオさん、たぶん皆さんは、レオさんにそんなことさせませんよ」

「どうして?生き残るためなら持てる武器を使うべきだろ」

「使わない選択もあります。みんなで仲良く滅びるのも一興です」

「それは嫌」


ぷいとそっぽ向くレオナルドの頬に両手を添えて、サーシャはレオナルドの唇にちゅっと初めて自分からバードキスを贈った。

にへっと笑うとレオナルドの顔もにへっと緩んで大きな手が頭をぐしゃぐしゃに撫でた。


「みんなレオさんが大好きです。レオさんにそんな惨いこと、させられません」