小さな洞窟内に陣営を移したというのに、団長の盾魔法が展開されていないことにサーシャは血の気が引いた。最悪の事態に胸が震える。
「よく戻ったな!レオ!サーシャ!」
サーシャの頭から血が一気に引いたところで、団長の豪快な声が響いた。
団員に肩を借りた状態で、眼帯の団長がくちばしマスクを付けたまま歩いてきた。
「俺、一瞬団長が死んだかと思った」
「おいレオ、勝手に殺すな」
ガハガハと団長が豪快に笑う。サーシャはいつもの団長の様子にホッとした。だが、団長が持ち上げた右手を見て、レオナルドの眉間に深く皺が寄る。
「団長!右手が!!」