洞窟の入り口でレオナルドが声を上げた。奥の奥まで響くように風に乗せて声を届けると、奥から人の気配がやってきた。
「レオ!サーシャ!無事でよかった!」
小走りにやってきた、くちばしマスクのルテが腕を広げてサーシャを抱き締めた。サーシャもルテを抱きしめ返すと、ルテの目元とローブにべっとりと多量の血がついていた。
「ルテさん!怪我したんですか?!」
サーシャがルテを腕から離して、身体をまじまじと観察するとルテは形の整った眉を歪めた。
「私は大丈夫よ。これは団長を癒したときについた血だから」
「団長に何かあったんですか?まさか」
団長が死んだら盾魔法が消える。