てっきり伝わっているものだと思って行動していた。
 だからこんなにも噛み合わなかったんだと、早とちりを反省する。



「ちゃんと言ってなくてごめん。ずっと前から由良ちゃんが好きだったんだよ」
「……っ」
「というより、もう大好きすぎて抑えらんないくらいだけど」
「そ! そこまで言わなくてもっ!」



 ストレートな言葉で想いの深さを告げられ、由良の方が恥ずかしくなった。

 璃斗の顔の前で両手をブンブンと振り、ストップ!と表現したのだが、
 その手首を掴まれて距離を詰められる。



「ッ⁉︎」
「だから、もういい?」
「い、いいってなにを……⁉︎」
「抱きしめても?」
「〜〜っ!」



 立て続けに攻め込まれて、ウブな由良にはこの辺でもうキャパオーバー。
 耳まで真っ赤にして潤んだ瞳を向けてくる彼女に、
 愛情が止まらない璃斗が怯むはずない。



(可愛いなぁ、もう……)



 掴んでいた手首を離したと同時に由良の背中に腕を回すと、
 いとも簡単に抱きしめることができた。