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 土日が明けて、学園祭準備を伴う学校生活がはじまった月曜日。

 その日の放課後、いつも通り生徒会室に向かった璃斗がドアを開けると、
 書記さんと会計くんの一年生コンビだけが既に作業を進めていた。



「あれ? 会長は?」
「まだきていませんよ、欠席ではないみたいですけど」
「……そっか」



 毎日一番乗りだった由良の姿がないことに違和感を持った璃斗は、
 少し考える素振りをみせたのち「忘れ物」と言って生徒会室を退出した。

 その背中を見送った書記さんは、
 推しである由良と璃斗が揃って不在なことに妄想が止まらない。



「え、え、何かあったのかな?」
「でも有川先輩は忘れ物って……」
「嘘に決まってるじゃん! 絶対探しに行ったのよ、城之木先輩を」
「なんでわかるんだよ……」



 目をギラギラさせて高揚する書記さんに、若干押され気味の会計くんがため息をついた。

 ただ書記さんの読みは正解で、
 そんな妄想をされているとも知らない璃斗は、校内を回って由良を探している最中だった。