『ねぇ、帰ってくんない?』



リビングへと戻り早々に伝える

漫画を読んでいた啓悟と

テレビを見ていた海斗が

同時にこちらを見る



「「なんで?」」



心底不思議そうな顔をする2人

あれ?私がおかしいのかな?

と思わせてくるその目をやめてくれ



『いや幼馴染とはいえ私たち性別男女なんですよ』

「だから?」

『いやだからー…彼氏に誤解されたくない』

「「は?」」

『なに、今日は随分と息ピッタリじゃん』



仲良しか?と思っていれば

案の定というべきか

だから言いたくなかったと言うべきか

啓悟はゲラゲラと笑い転げ

海斗は私の肩をガシッと掴んでくる


あ、やば。


と思った時には遅かった



「どこのだれ。名前は?身長は?顔は?
そいつは結衣のことちゃんと知ってんの?
実は寝てる時クソブサイクな顔してる事とか
実は見た目に反して性格悪いところとか
実は最高にカッコイイ幼馴染がいる事とか」

『いや最後のはなんだよ
つかクソブサイクな寝顔とか言うな
私の気にしてるところだぞ』



海斗は少々…というかだいぶ

私に対して過保護な所がある

前は幼馴染が私を大切に思ってくれてて

嬉しくも思ったが

彼氏が出来る度にこれだと

流石に面倒くさくなってきた

父親が2人いる、みたいな感覚