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 ゆっくりと瞼を開けると、一番に白い天井が目に入った。


 ここ……保健室?

 さっきの人が、連れてきてくれたの……?


 とりあえず、ゆっくりとベッドの上に起きあがってみる。


 うん。もう大丈夫みたい。

 それにしても、さっきわたしを助けてくれたあの人がいなかったら、わたし、どうなっていたんだろ。


 怖い想像が頭の中をよぎり、ぶるぶると頭を左右に振ってその想像をかき消すと、わたしはベッドをおりた。


 ベッドの周りに引かれたカーテンをそっと開けると、机に向かってなにか書き物をしていた保健の先生が、わたしの方を振り向いた。


「よかった。ずいぶん顔色がよくなったみたいね。運ばれてきたとき、冷や汗をいっぱいかいて、真っ青だったのよ? 少し寝かしてやれば、元気になるはずだからって言ってたけど。ここにあなたを連れてきてくれた彼、あなたの知り合いだったのかしら?」


 やっぱり、わたしのことを知ってる人なんだ。


 ひょっとして……!