——東条蒼空くん。

 本当に、今日はじめて会ったはずだよ?


 けど、なんだろう、この感じ。

 なんていうか……つながってる……みたいな?

 なんだか東条くんのことが気になってしかたがないの。 


 それに、あの血が湧きたつようなおかしな感覚は、いったいなんだったんだろう?

 思い出しただけで、なんだか胸が苦しくなってくる。


 ……そういえば、こんなの、本で読んだことある。


 え? まさかだよね?

 東条くんに……一目惚れ……?


 ううん、ないない!

 だって、わたしはもう人間を本気で好きになったりしないって決めてるんだから。

 だって、自分が傷つくだけだってわかってるから。


 お父さんとお母さんが、特別だったってだけ。

 人間とヴァンパイアの恋なんて、普通はうまくいくわけがないんだから。


 うちはね、お父さんは普通の人間で、お母さんは純血のヴァンパイアなの。

 だからわたしは、半分だけヴァンパイア。

 他の純血のヴァンパイアみたいに、特別な力はなんにもないし、太陽がちょっとニガテなだけで、普通の人間とほとんど変わらない。