『最後の説明だが、アイテムはフルチャージで1000回使用出来る。0になった場合は、収納が解除される仕組みだ。で、そいつのエネルギー源だが、この星の人間の生体エネルギーが源になる。つまり、フルチャージさせる為には、そいつで人間を1人破壊すればいい』
男は桐山の目を見つめながら、更に微笑む。

『もし…もしも、人を破壊しなかったら、ぼくは、ぼくはどうなるんだ?』

桐山の青ざめながら問いかけた。

『さあな。お前の使い方次第で結末は変わるからな…前の男は、それが出来ずに殺されたよ』

微笑んだままで男が言った。

その時、桐山は口の中に異物感を覚えた。舌で探ると、金属の欠片のような物が、幾つかある。桐山は慌てて手のひらに吐き出した。
見るとそれは、奥歯を治療した時の被せ物だった。
桐山は、更に舌で奥歯を探ってみた。そこには歯があった。
『収納されると、アイテムは即座にお前の体を修復するんだよ。それもお前の知らない機能だ。さて、そろそろ行くぜ。俺は忙しいんでな』