「そこに指を触れてみろ」

桐山は恐る恐る左手の人差し指でスクリーンに触れてみた。音もなくスクリーンが青く点灯し、瞬時に「認識」と漢字が表示され、すぐに「メニュー」とカタカナが表示された。

桐山はメニューに触れてみた。画面が切り替わり、「生体」「物体」と表示された。

「物体に触れてみろ」

男は言いながら、烏龍茶を飲み干し、ペットボトルをテレビの上に置いた。

桐山は言われた通りに物体の文字に触れてみた。画面が切り替わり、「破壊」「修復」と表示された。

俺はコレを知っている…

桐山は心の中で呟いた。

「よし、破壊を押してどれか選択して、コレを撃ってみろ」
男がペットボトルを指差した。

桐山は破壊に触れた。画面に幾つかの文字が表示され、画面の左手下には▽マークがある。スクロール出来るらしい。
桐山は今表示されているカテゴリーの中から、「消滅」を選択した。すると画面がビデオのファインダーのように、銃口らしき部分が向いてる方向を映し出した。

桐山はゆっくりと慎重に、銃口をペットボトルに向けた。スクリーンの中央にペットボトルが映っている。