手渡されたソレは、何やら拳銃の様な形だった。表面は艶やかな銀色だ。金属製に見えるが軽い。引き金のような部分もある。まるで…

「おまえはソレを知っている。しかし、ソレはおまえの知っているモノとは少し違っている。重要な部分だけは説明する義務が俺にはあるからな…。いいか!一度しか言わないからよく聞けよ!ソレは以前におまえが頭で空想し、宇宙に向かって欲しいと強く願ったアイテムだ!同じモノをこの星に届けるのは今回で2度目になる。1度目の奴は、一番肝心な使い方が出来なかったからな、すぐに殺されちまったらしい…。おい!ボケッとしてるならお茶くらいだせよ!」

男は少し不機嫌そうな口調だったが、全然不機嫌には感じられなかった。
桐山は男のペースに呑まれていた。ゆっくりと立ち上がり、冷蔵庫から烏龍茶のペットボトルを出して、恐る恐る男に差し出した。

男は受け取りながら蓋を開け、一気に半分ぼど飲んだ。

「さて、まずソレの使い方だ。拳銃みたいに握るとグリップの上のにスクリーンがあるだろ?そこに指を触れてみろ」

桐山は言われた通りに拳銃と同じ握り方でソレを持ち、拳銃なら撃鉄がある位置に小さなスクリーンを発見した。