「ゆうまさん…もういいのよ。。」

「あっ…何言ってるんですか!大丈夫です!」

「もう一年もずっといてくれて、支えてくれて…」

病室で話すのは、はるかのご両親。
はるかの意思で絶縁だったけど、こうなった事はご両親にも伝わっていた。

はるかが入院した次の日に病室で久しぶりにお会いして話しをしていた。

ゆうまの人柄ではるかのご両親には信頼を得ていたから特に問題はなかった。
あれから変わらずにずっと生活をしていたこと。
こうなってしまったこと。
けいすけとの事は話さなかったけど…色々話した。




「僕は、はるかが目を覚ますまで側にいますので!!」
「お医者さんの話だと目を覚ますこともあるって…だから」

「…ゆうまさん、これまでも色々とありがとうね」
「…なんでこうなっちゃったのかな…あの子がこんな事に…」

涙しているご両親。
それを見て「なんでこうなっちゃったのかな」という言葉を聞いて複雑になった…

口にはしなかったけど…
色々あった。
そして、こうなった。

僕のせいだ。

そう思ってしまう。

あのけいすけの時、もっとちゃんと話してたら動いてたら…
こうはなっていなかったのかもしれないって…
それ以外もそう…もっとちゃんと話をしていたら…


「でも…きっとあの子は幸せだったと思います」
「ゆうまさんと出会い付き合った事で変わったの感じていたし、なにより素で笑う事が増えていたと思いますから…」

「…はい」

「だから私達も諦めないので…ね」





「あの子はずっと幸せだったと思うから…」

「何言ってるんですか!!きっと大丈夫です!」

スッ
ギュ…

「なぁはるか、大丈夫だからな」
「はるか!…大丈夫だから…」

横に変わらず眠るはるかの細くなった手を握って大きな声をあげた。

うぅ…あぁ………

それを見て啜り泣くお母さんの声が聞こえた。

「…」

泣くのを堪えた。
心が折れそうになるのを堪えた。

「はるか、僕がいるからね」
 
ギュギュ

強く強くこれまで握った事がないくらい強く。
そして、大きく。

「僕がいるからね!」
「はるかの事ずっと大好きだよ」

願いも込め強く声を出した。

「だから…だから…」





…ギュ

「…えっ」

ギュ…

「…はるか、、、」

ギュ

…気のせいではない。
少し手を握り返された。

「はるか!」

反応はない…でも確かに…
はるかの手が動いた。

手を握り返された。

「はるか!はるか!」

ギュウ…




スッ……

間違いじゃなく、はるかの目尻から涙が溢れた。

「はるか!はるか!!!」
「僕だよ!わかる!!?」


…スッ……

「………ゆうま」
「…………私も大好きだよ」


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