チュン…チュン…チュン
朝だ。
今日僕は家に帰ってはるかと話す。
どうなるか分からないけど、ここが始まりになると思う。
同棲して10年。
積み重ねた時間は重い。
けど、僕らはまだ30歳。
女性の30歳は少し重みが違うと思うけど、この時代まだまだこれからとも言える。
だから、色んな選択肢がある。
そう、僕らにおいても…
でも考えてもしょうがない。
「よし、支度するか」
いずれにせよ、会って話さないと分からないから腹を括り支度を始めた。
1人の支度ならすぐ終わる。
約束した時間に遅れないように早めに家を出た。
スタスタ…
久しぶりの東京へ。
ガタンゴトン、ガタンゴトン…
使い慣れた電車。
いつも使っていた電車。
電車でもこの後の事を考えちゃう。
けど、会いたい気持ちも強くあるのを感じた。
「…大丈夫、大丈夫」
「ちゃんとするんだ」
声には出さず、心に問いかけるように何度も繰り返した。
プシュー
自宅の最寄駅に着いた。
「…」
いつも2人で買い物をよくしていた場所。
「…なにか買っていくか」
お詫びの品ってわけじゃないけど…
はるかが喜びそうな2人で飲めるワインを買い、花が好きだったから飾れるような花束を買った。
「よし…」
時間を見ると約束の時間の30分前。
「…家に向かうか」
ついにその時がくる。
そう噛み締めながら買ったものを持って歩いて自宅に向かった。
スタスタ…
いつもより足取りが重い。
でも、着実に自宅に近づく。
スタスタ…スタスタ
…
着いた。
「…よし、入るか」
ガチャ…
ガチャガチャ…
家の玄関が開かない。
鍵が閉まっている。
「…あれ?」
スマホを見ると約束の時間である13時ちょうど。
ピンポーン…ピンポーン
…
反応がない。
「あれ…?昨日伝えていたし、はるかもわかったって言ってたのに…」
カチっ
プルルルルっ、プルルルル
…
電話に出ない。
「…どしたんだろう?」
約束を忘れるはずがない。
今日はLINEでやり取りをしていないけど、昨日した。
今日の事をLINEした。
それに反応したはるかもいた。
けど、家にいない…?
「なにか…買い物とか言っているのかな…?」
ガチャチャ…ガチャ
したかないから、自分の鍵を使って家に入った。
「…」
久しぶりの自分の家。
ドアを開けた光景が懐かしく感じた。
家は綺麗になっている。
掃除が苦手なはるかが、頑張ったのだろうと分かった。
これまでは僕が基本していたから出来ないって思い込んでいたけど…
「お家だぁ…綺麗のままだ」
少しうるっと来た。
たったこれだけのこと。
でも、なんかはるかが変わったのかな?って。
スタスタ…
ガチャ
リビングのいつもの風景だ。
僕がいつも綺麗にしていたような状態の感じで。
1つ違うと言えば…お部屋にとても良い匂いが充満している。
僕はファブリーズとかを使って消臭していたけど、そこは女の子って感じがした。
芳香剤も見たことがないものを使っていた。
「…へぇーすごい…めっちゃ良い匂いだ」
率直な感想。
びっくりした感覚をすごい感じた。
あのはるかが…って。
人は1人になればやるしかないから、やれるようになっていくのは必然かもしれないけど…
はるかも出来るんだなぁって。
スタスタ…ドサッ
ソファに腰をかけた。
いつも2人で座っていた。
2人で見ていたテレビ。
「……」
今はるかはいないけど、懐かしい感情と寂しい感情を感じた。
「…はるか」
すぐに会いたい。そんな感じ。
…
「…どこ行ったんだろ?」
あれから10分は過ぎても帰ってこない。
カチ
LINEを見るが折り返しもないし、既読もつかない。
「おかしいなぁ…」
スマホを何度も見るが変わりがない。
「うーん……」
どうしようかとスマホを置き考えた時。
プルルルル
スマホが鳴った。
バッ
すぐに手に取った。
「…??」
表示されたものは、知らない電話番号。
しかも、誰かの携帯番号とか違う番号。
「…はい」
出るか迷ったけど、電話に出た。
「あっすいません」
「ゆうまさんのお電話でしょうか?」
「…はい」
「どちらさまですか?」
自分宛の電話のようだが、相手は全く知らない声の男性。
「いきなり申し訳ないです」
「大丈夫ですが…」
「私、〇〇警察署のものです」
「…はい?」
住んでいる区の警察署からの電話。
もちろん、やましいことなどはない。
だけど…なぜ??
「えっと…ご自宅にはるかと言う方が住まわれている事はお間違いないでしょうか?」
「…はい、そうですが」
詐欺とかの電話?ともよぎり伝えるのを迷ったけど、答えた。
「落ち着いて聞いてください」
「ご同居されているはるかさんが、交通事故に遭い意識不明のまま今病院に運ばれています」
「…えっ、、」
いきなりの通達だった。
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お読みくださいましてありがとうございます。
いかがでしたでしょうか?
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朝だ。
今日僕は家に帰ってはるかと話す。
どうなるか分からないけど、ここが始まりになると思う。
同棲して10年。
積み重ねた時間は重い。
けど、僕らはまだ30歳。
女性の30歳は少し重みが違うと思うけど、この時代まだまだこれからとも言える。
だから、色んな選択肢がある。
そう、僕らにおいても…
でも考えてもしょうがない。
「よし、支度するか」
いずれにせよ、会って話さないと分からないから腹を括り支度を始めた。
1人の支度ならすぐ終わる。
約束した時間に遅れないように早めに家を出た。
スタスタ…
久しぶりの東京へ。
ガタンゴトン、ガタンゴトン…
使い慣れた電車。
いつも使っていた電車。
電車でもこの後の事を考えちゃう。
けど、会いたい気持ちも強くあるのを感じた。
「…大丈夫、大丈夫」
「ちゃんとするんだ」
声には出さず、心に問いかけるように何度も繰り返した。
プシュー
自宅の最寄駅に着いた。
「…」
いつも2人で買い物をよくしていた場所。
「…なにか買っていくか」
お詫びの品ってわけじゃないけど…
はるかが喜びそうな2人で飲めるワインを買い、花が好きだったから飾れるような花束を買った。
「よし…」
時間を見ると約束の時間の30分前。
「…家に向かうか」
ついにその時がくる。
そう噛み締めながら買ったものを持って歩いて自宅に向かった。
スタスタ…
いつもより足取りが重い。
でも、着実に自宅に近づく。
スタスタ…スタスタ
…
着いた。
「…よし、入るか」
ガチャ…
ガチャガチャ…
家の玄関が開かない。
鍵が閉まっている。
「…あれ?」
スマホを見ると約束の時間である13時ちょうど。
ピンポーン…ピンポーン
…
反応がない。
「あれ…?昨日伝えていたし、はるかもわかったって言ってたのに…」
カチっ
プルルルルっ、プルルルル
…
電話に出ない。
「…どしたんだろう?」
約束を忘れるはずがない。
今日はLINEでやり取りをしていないけど、昨日した。
今日の事をLINEした。
それに反応したはるかもいた。
けど、家にいない…?
「なにか…買い物とか言っているのかな…?」
ガチャチャ…ガチャ
したかないから、自分の鍵を使って家に入った。
「…」
久しぶりの自分の家。
ドアを開けた光景が懐かしく感じた。
家は綺麗になっている。
掃除が苦手なはるかが、頑張ったのだろうと分かった。
これまでは僕が基本していたから出来ないって思い込んでいたけど…
「お家だぁ…綺麗のままだ」
少しうるっと来た。
たったこれだけのこと。
でも、なんかはるかが変わったのかな?って。
スタスタ…
ガチャ
リビングのいつもの風景だ。
僕がいつも綺麗にしていたような状態の感じで。
1つ違うと言えば…お部屋にとても良い匂いが充満している。
僕はファブリーズとかを使って消臭していたけど、そこは女の子って感じがした。
芳香剤も見たことがないものを使っていた。
「…へぇーすごい…めっちゃ良い匂いだ」
率直な感想。
びっくりした感覚をすごい感じた。
あのはるかが…って。
人は1人になればやるしかないから、やれるようになっていくのは必然かもしれないけど…
はるかも出来るんだなぁって。
スタスタ…ドサッ
ソファに腰をかけた。
いつも2人で座っていた。
2人で見ていたテレビ。
「……」
今はるかはいないけど、懐かしい感情と寂しい感情を感じた。
「…はるか」
すぐに会いたい。そんな感じ。
…
「…どこ行ったんだろ?」
あれから10分は過ぎても帰ってこない。
カチ
LINEを見るが折り返しもないし、既読もつかない。
「おかしいなぁ…」
スマホを何度も見るが変わりがない。
「うーん……」
どうしようかとスマホを置き考えた時。
プルルルル
スマホが鳴った。
バッ
すぐに手に取った。
「…??」
表示されたものは、知らない電話番号。
しかも、誰かの携帯番号とか違う番号。
「…はい」
出るか迷ったけど、電話に出た。
「あっすいません」
「ゆうまさんのお電話でしょうか?」
「…はい」
「どちらさまですか?」
自分宛の電話のようだが、相手は全く知らない声の男性。
「いきなり申し訳ないです」
「大丈夫ですが…」
「私、〇〇警察署のものです」
「…はい?」
住んでいる区の警察署からの電話。
もちろん、やましいことなどはない。
だけど…なぜ??
「えっと…ご自宅にはるかと言う方が住まわれている事はお間違いないでしょうか?」
「…はい、そうですが」
詐欺とかの電話?ともよぎり伝えるのを迷ったけど、答えた。
「落ち着いて聞いてください」
「ご同居されているはるかさんが、交通事故に遭い意識不明のまま今病院に運ばれています」
「…えっ、、」
いきなりの通達だった。
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