チュンチュン

スッ…

目を開くとまだ薄暗いが窓の外がほのかに明るくなっている。

カチッ

スマホを見ると朝5時を過ぎた頃。
隣のベットのきょう姉はまだ眠っている。

昨日の事を思い出してしまう…
無意識に出た癖、この一ヶ月で思わなかったはるかへの気持ち。

「…ふぅ、、」

音にもならないため息を吐いた。
僕は本当にどうしたいのか。。

「…でも、もうこのまま変わらないもんな、、」

なんで…こうなっちゃったのかな…

昨日のきょう姉とのご飯や会話とか、自分が素でいられたし、ただただ楽しかった。
それはきょう姉だったからなのかもしれないけど…変な話自分が穏やかな気持ちでいられた。

いつからか、はるかといる時はずっと気を張っている感じ。
彼氏としてのゆうまではなく、友人?みたいな視点のゆうま。
だから、どんな話でも聞いてられた。聞きたくない話でも聞いていた。
…自分を守る為に。

でも、もうそれに疲れた…
だから別れたいって言った。

でも……


頭がぐるぐる回る。。

「もう少し寝よう…」
そのまま目を閉じた。





「ゆうま、ゆうま!」
トントン

「んんっ…」

スっ…
目を開くときょう姉が横にいた。

「おはよー!」
「もう朝だよー!朝食もあるから起きないとね!」

時間を見ると7時前。

「あっ、、きょう姉おはよう」
「うん、だね」
「…でも、まだ眠いやぁzzz」

「うふふ、でもだーめ!」
「せっかくの宿の朝食なんだから準備して行くよー」

「…はぁーい」


ボサボサの髪の毛のまま、きょう姉と食堂に向かった。
きょう姉はもっと早くに起きていたみたいで、ちゃんと身だしなみを整えていた。
さすがだと思った。

はるかと旅行に行った時は僕が起こしたり、支度させたりしていた。

…なんか新鮮な気持ち。


東京で生活していて、なかなか朝ごはんを食べることはない。
それに、元々朝は食べない派。
でも、こうゆう時は食べてしまう。
なにより寝起きにも関わらず、朝ごはんがすごい美味しくて。

この日の朝食はバイキング形式で、地元産のお野菜とお魚をメインとしたものだった。

「おいしいーー!」

「あっ…めっちゃ美味しい!」

「ねー!ほらやっぱり起きてきて正解だったでしょー!」

「うん!てか…日本人でよかったって思うよ」
「お米がこんなに美味しいんだもん!」

「うふふ、だね!」
「お味噌汁も最高だし…」
「なにより朝の景色もめっちゃ清々しいしね!」

「毎日こんなところで朝ごはんだったらたべちゃうな(笑)」

「あはは!」
「その気持ちわかる!」



最高の朝ごはん。
その後に最後の大浴場でお風呂にはいる。
間違いなく最高な1日の始まり。

でも、その分時間はあっという間に過ぎていく。 




「忘れ物ないようにねー!」
「お財布とかお洋服とかとかね!」

「大丈夫だよ(笑)いつも僕が注意してたから!」

「あっなるほどね(笑)」

「じゃあ名残惜しいけど…現実へ帰りましょうか」

「…ね」

「よーし!じゃあお部屋に、1日ありがとうございました!」

「きょう姉なにそれ(笑)」

「いいでしょー!いつもやってるの!」
「それにやっておくと、なんか心により刻まれる感じがしてね」

「そうゆうものなのか?」
「…じゃあ僕も」
「1日ありがとうございました!」

「よし!じゃあ帰ろっか!

「うん!」


スタスタ

もっと心からいたい場所だったけど、なくなく受付に向かった。



受付エントランス。

「じゃあお支払いしてくるから、ゆうまは待っててー!」

「…きょう姉、ほんとにいいの、、?」

「いいのいいの!今回は気分転換の旅だったんだからいいの!」

「…ありがとうね、きょう姉」

「いーえー!じゃあちょっと時間かかると思うからお土産とか景色とか見て待っててー」

「はぁーい」


スタスタ


「なんかほんとにお姉ちゃんみたいだ」
「うふふ」

心から笑みが出た。
ここはきょう姉に甘える。

どさっ…

「ほんといいところだったなぁー」
座って休めるところできょう姉を待つことにした。

「…」
「でも、これからどうしよう…」

はるかのこと。

…スマホを確認した。
スッスッ…
スマホがない。

「…部屋に忘れた、、」
「きょう姉に言われたのにやらかした、、」

チラッ

まだ、きょう姉は支払いの受付の順番待ちをしている。

「…この隙に!」

きょう姉に見つからないように部屋に戻った。

ガチャ

幸いにも鍵は空いていた。

「よかったぁー…」
「スマホはどこだ」

ガサっガサっ

「…あった。。」

寝ていたベットの枕の下にあった。
最後の準備をしてまったりしていた時に寝転んだ。
その時にスマホ触ってて、きょう姉に呼ばれた時に置いてしまいそのまま記憶から消えてしまっていたようだ。

「ふぅ…セーフ!」

カチッ

部屋まで戻ってきてまだ2分。
これならバレないとスマホを見て思った。

と。


プルルルッ
プルルルッ…

はるかからの電話だ。

「…」

どうするべきか。。

もう一ヶ月も直接話していない。


でも…声を聞きたいって思った。


…ガチャ

「…はい、ゆうまです」

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