「あの人は大きな会社を近いうちに背負うことになる。
内輪もめしてるのは僕にすら聞こえてきてるし、おそらく正式に付き合えば風当たりは強いと思う。
僕たちは高校生だけど、彼と付き合うのなら高校生だからという甘えを大人達は許してくれない」


私の顔が強ばる。
横山君の言うことは私がわかっているようでわかっていないことだった。

そうだ、同じ高校生と付き合うのとは違いすぎる。
以前のように私に合わせ水族館とチェーン店で食事するのでは無い、綺麗な服で大人達の行くレストランで正しいマナーを当然とする世界が彼の本当の世界だ。

私がへまをすれば彼の評判を落とす。
ただでさえ現役の高校生と交際なんて彼にとって弱点以外に無い。


「横山君の言うとおりだね。わかってなかった」


駄目だ、桃の言うようにお互いを知るために付き合うなんてのは光生さんとの場合には通用しない。

答えなんて出ているじゃ無いの。

・・・・・・光生さんに私はふさわしくないということが。