そんな相談をした数日後、まだあのドライブからそんなに経っていないのに光生さんから私のスマホにメールが届いた。
光生さんから渡された専用のスマホは突き返してしまったので、私のスマホのメアドから先日遠出でした時のお礼を送れば、光生さんからは簡素な返信のみでその後何のやりとりもしていない。
以前のような毎日送れ、なんて要求も無く、久しぶりのメールに何だろうかと中を読む。

それは先日光生さんが言っていた、どういうところに出かけるのが良いのか、ということ。
仕事のことも何も書かれていないシンプルな内容。
あの身勝手御曹司は見る影もなく、何だかそれが不信感を生んでいる一つでもあると思った。

でもあの人を知るには会うしか無い。
そもそも知ろうとしている自分は、きっと光生さんの罠にはまっているのだろう。
付き合いますと言った途端、以前のようにならないだろうか、また何か利用しているのではと思えてくる。
それをはっきりさせるにはやはり会って話すしか無い。

スマホで色々調べ都心にある水族館に行きたいと送れば、すぐに空いている日程が送られてきた。
仕事の調整をしなければならないのですぐに返事が欲しいとのことなので急いで返信すれば、二週間後の日曜日になった。