図星だ。
以前なら嫌、以上。で終わったのにそうは出来ない。
しかし今回は情に流されているのでは、単に好きだと言われ慣れないから喜んでいるのでは、そもそも恋ってなんぞや、というところまでわからなくなっていた。
だから経験者の意見が欲しかったわけで。


「確かに悩んでる。
でもこれが恋っていうわかりやすい感覚は無くて。
なんか流されている感じがするし、交際経験多い桃ならそういうのはわかるかなって思ったから」


しどろもどろな私の言葉に、ふむ、と桃は考え出した。


「さっき言ったように私の場合交際は相手の告白でスタートなの。
でも誰でもオーケーしてる訳じゃ無い。
生理的に大丈夫かどうかは絶対的に必要」


キリッと可愛い顔をさせながら私に言うには、何だかこう、生々しい。
生理的に大丈夫とは?と尋ねると、そうねぇ、と桃が思案しだした。


「手を握るってのは割と出来るのよ。それすら無理だと思う人もいるけどさ。
一番はキスだね。
この人と私はキスできるのかなって。
だからまずは手を繋いでも良さそうな相手なら付き合って、その後キスしても大丈夫な相手か確認して駄目ならそこで終了」


にっこりと凄いことを言った桃にあっけにとられながら、私は戸惑いつつ光生さんにそれを当てはめようと試みた。