私、七瀬虹華《ななせにじか》。七色学園に通う中学2年生。
今日も、ゆっくりと学園へ歩いていく。
すると、後ろから私を呼ぶ声が聞こえてきた。
「虹ちゃん!おはよう〜!!」
この声は…!
「湖与ちゃん!おはよ!今日も暑いねー。」
この子は水月湖与《すいげつこよ》ちゃん。小学校から同じで、とても仲のいい親友。
「暑すぎて溶けちゃうぅ〜。もう夏だね〜。」
「そうだね。中学校生活は早くも2年目の春かぁ。早いなー。」
「でも、虹ちゃんはいまだに青春って感じじゃないよね〜。」
あ…、。また始まったっ……。
湖与ちゃんはふわふわ系女子で、かわいいけど、一つ欠点がある。
湖与ちゃんは恋バナが大好きなのだ。
「私は好きな人なんていないし恋愛なんてしないけど。湖与ちゃんは好きな人いるの?」
別にあまり興味は無いけれど、一応聞いてみた。
すると、湖与ちゃんはあからさまにギクッ、と反応した。
「いるんだぁー?」
ニヤニヤしながら湖与ちゃんの顔を覗き込んだ。
「い、いるけどっ、……///」
やっぱり。
「ちなみに、だれ?」
「い、いわないよ!虹ちゃんが教えてくれたらいいけど、。」
「でも、私好きな人いないしなぁー。」
「じゃあ、虹ちゃんに好き人できたら、お互いに言おう?」
好きな人なんかできるわけ。
「まぁ、いいよ。でも、あんまり期待しない方がいいよ?」
「うん。じゃあその時はその時で〜!」
そんなふうに、湖与ちゃんの恋バナに付き合っているうちに、教室についた。