暴れまわる花に,僕は痛む頭を強く押す。
こいつの語彙が少なすぎるせいで,得られる情報が少ない。
親としてとか言うくせに,殺すことに厭いはない。
何が軸になっているのか分かったもんじゃないし,そんなこいつが自身の生み出した花にどんな教育をしたのかと想像はあまりよくない。
わーわー暴れる花は,今にも僕のからだに引っ込もうとしている。
「最後に今はこれだけ答えろ。……どうして最初の花なんていうお前が,僕に咲くことを選んだんだ?」
「わたくしちゃま,別に選んでない。子供達みたいに,食べるだけがしあわせじゃないって知ってるし,必要でもないし,ととさまだめって言ってたから。なんできゅうに,たべものに入れられたのか,わたくしちゃまわかんない」
花は拗ねたように答えた。
「は?」