「1番最初のお花だから。ふえるはずじゃ無かったけど,万が一ってととさまがそうして作ってくれた。ちょれつ? がね,1番なんだよ,わたくしちゃま。すごいでしょ?!」
言う割りに何も理解してなさそうな花。
序列の事かと,僕は数分以上前の光景を思い出す。
僕は試しに,先ほどの花へ寄った。
「じゃあもしこいつにお前が死ねと言えば,こいつは死ぬのか? 滅びろと少し願えば,世界から途端に消えるのか?」
「う……ん。難しいよ,ジョン。ちょっと,ちがう? えっとね…………ねぇそこのお花,死んで?」
花は何の躊躇も変化もない声で,花の命令で二度寝した花に声をかける。
少しの驚きを抱きながらも観察していると,花は一言も発さず,まるで自身の時間を早めるように咲いた後細く枯れて,最後には崩れてしまった。
「これは,出来る。でも,目? 見えるところにはいって,声が届かないと,できない」
それでも充分だ。
きっと誰もがそういうだろう。
幸いにも何故か,同じ花を葬る事への抵抗はこの花に見られない。