ずっと周りの木々のように静かに立っていたタルトが,ようやく口を挟み1つの決定をする。
今の今までは,僕の邪魔をしないようにと気を張ってくれていたらしい。
最年長でもないタルトが隊長なのは,図体がでかいくせに力を過信せず,頭も同じだけ使うからだろう。
気になることは多いだろうに,自分は花に言葉1つ寄越さす,すぐさま離れる用意を完了させた。
「もちろん,お前1人にする心配だってある」
タルトは何も気にしていない僕に,何故か困ったように笑う。
その後で,その顔を崩さないまま
「でも,ジョンは出来れば1人になりたいと思ってる。隊長の俺ですら,それとの話を聞かれたくない。……違うか?」
そう口にした。