一6月12日(金)天気・曇り一
私の恋が終わった。



「ま〜た先輩のこと見てるー。もぉいい加減にして告ったら?」
「花那。」
「見てるだけでいいのー?」
「私は見てることしか出来ないから」
「花那はそんなことないと思うなー。だって美月可愛いし?スタイル良いし?告白したら絶対付き合えると思うけどなぁー...悠斗先輩と」
「そんなことないよ。絶対に。」
だって私は悠斗先輩には好きな人がいるってこと知ってるから。
私の好きな人はひとつ上の高校3年生の峰岸悠斗(みねぎしゆうと)先輩。初めて出会ったのは朝の電車の中。私が痴漢されているところを助けてくれた私のヒーロー的存在な人。そこから偶然委員会が一緒になり、少し話すようになりどんどん好きになった。見ての通り私は告白出来ないまま先輩をただ見てるだけになっているのだ。
「あ、悠斗先輩じゃない?あれ。」
「えっ?どこ...?」
花那の言葉に反応し指さす方を見てみると、そこには3年生の中でも可愛くて有名な女の先輩と悠斗先輩がいた。
「告白..されてるのかな...」
「そりゃそーでしょ、校舎裏に二人っきり。告白以外にありえないっしょ?」
「確かに...OKしたのかな。」
そう思うと2人の姿が怖くなり見るのをやめた。
「そんなに心配しなくても、振ったよ悠斗先輩」
その言葉を聞いた時私はホッっとした。と同時に人が頑張って告白して、成立しなかったことを少し喜んでいる最低な自分が嫌になった。
「てか美月今日委員会当番なんでしょ?行かなくていいの?」
「え?あー..そうだったかも」
花那に言われて時計を見るとあと3分で4:30になりそうだった。私が入っている図書委員は今年受験生な3年生のために1時間ほど図書室を公開している。公開していると受験勉強をするために3年生が図書室に来るのだ。
「ごめん花那行ってくる。教えてくれてありがとう。あ、それと先帰ってていいからね」
「りょーかい」
花那と別れたあと廊下を急いで走り図書室へ向かう。もう1人の同じ当番の人に遅れると申し訳ないから少しでも遅れたくない。相手が先輩だったら尚更だ。
「今日相手の人誰だっけ」
と1人で呟いていたら図書室に着いた。ガラッ
「えっと...遅れてすみません..」
「全然平気だよ俺も今来たところなんだ笑」
そこに居たのは悠斗先輩だった。