小鳥のさえずりが聞こえる。私はゆっくりと目を開けた。
 お母さんが作ってくれた朝食を食べて、見慣れた制服に着替える。
 慣れた手付きで肩より少し長い髪を結んだ。
 ローファーを履いて春の空気が香る外へ、紀田一花(きだいちか)は一歩踏み出した。
 「行ってきます!」