「はじめまして、看護師の堀越です。そしたら、火傷のところを見せてもらってもいい?」


真紘がそう言うと、彼女はなんのためらいもなく着ていたワンピースを脱ぎ、下着姿で診察台に仰向けになった。


年齢は明らかに真紘より年下。


童顔なせいか、高校生だと言われても納得してしまうほど、まだあどけなさの残る子だった。


「……この痕はタバコかなにか?」


「うん、タバコ」


「タバコ吸うの?」


「私は吸ってない」


胸やへその下、腰骨のあたりにタバコを押し当てられてできる根性焼きのような痕があり、真紘は動揺してしまった。


瘢痕化しているものもあれば、最近付けられたようなものもある。


「……もしかして、お客さんにつけられたりしたの?」


彼女は首を横に振った。


庇っているような様子はない。


「誰にされたのか、私には言いたくない?」


真紘の方に目を向けた後、彼女は肯定も否定もせず天井を見つめた。


「……見せてくれてありがとうね。ワンピースはもう着て大丈夫。先生を呼んでくるね」


真紘はそれ以上何も聞かなかった。