「どうだった?目の前で自分の女がよがる姿を見るのは」


旭が部屋に戻って作業を続けていると、晃がわざわざやって来た。


旭にとことん嫌がらせをしたいようだった。


まるで新しいおもちゃを買ってもらった子どものようにはしゃいでいて、見ているこちらは興醒めだ。


「なんか文句あるか?」


旭は何を言われても押し黙った。


ここで挑発に乗ってはダメだ。


将也を殺した証拠を掴むまでは、絶対にこの組から、このポジションから外されるわけにはいかない。


旭は何も言い返さず、でも怒りのこもった目で晃を見つめる。


「補佐の分際で色恋にうつつ抜かしてんじゃねぇよ」


満足そうな顔をした晃はそう言って去って行った——。