瑛は俺にしか見せていなかった笑顔を守山に向けている。
最後の方は笑ってるの見てなかったけど、付き合い始めはよく笑ってた。
あの時の笑顔はさすがにグッときた。
その笑顔を今他の男に見せている。
…モヤッ
おかしい、モヤモヤする。
守山と楽しく話して、笑顔を向けてる瑛。
…俺にだけ向けてただろ。
イラッ
なんだよ、あいつ! 守山との方が楽しそうに話してんじゃん。
てか、頭触ってんじゃん!!
イライラッ
なんだよ、このイライラは!
瑛と守山見てイライラッて…俺が瑛のこと好きみたいじゃねえか。
…ん?好き?
俺が、瑛のこと、を?
ハッ!となって俺は自覚した。
俺は、瑛が好きだ。
最初の方しか仲良くしてなかったけど、もしかしたら俺はその時には既に好きになっていたのかもしれない。
瑛への気持ちに気付きたくなくて俺は瑛から目を背けていたのかもしれない。
…ダメだ、今更気付いたなんて都合が良すぎる。
…第一、俺の事なんてもう好きじゃないだろうな。
だって、ロクに相手にしてなかったし、浮気してたし、別れる時もあっさりだったし。
好きになる要素なくね?
…こりゃもうだめだな。
…でも、俺はちゃんと伝える。
瑛に気持ちが届けば未来が変わるかもしれない。
…てか、変える。