実際は声がなんとか出ただけで、言葉にならなかった。



先生には戸惑ったようにしか聞こえなかったと思う。
どう、しよう...早く、早く答えなくちゃ...イライラさせちゃう。



さっきは、転校生だから、って言う理由で優しくしてくれただけかもしれない。だから、早く答えないと流石に起こってしまう...



「ぁ...えっ、と...て、んこぅしてきて...」



にこが発した声はにこにしか聞こえないような酷く小さな声だった。



...ハズなのに



「てんこう...あー!そういえば、今日転校生がくる...とか言ってたよーな?」