にこは後ろを振り向き、先生が追ってきていないことを確認した。



「はぁ...大丈夫そうかな...」



私はとりあえず、走ってさらに乱れた呼吸を整えようとしゃがみこみ、深呼吸を何回か繰り返そうとした。



二回ほど深呼吸をしたときだった。




にこがしゃがんでいる廊下の曲がり角の向こう側からコツコツと足音が聞こえた。





音からして、ヒールだろう。つまり、女性であることはわかった。でも、女の先生だろうと、必ず優しいとは限らない。