前回も来たことのある、日本にもあるショップの確か……アウトレットショップ。 前回来た時とは何だか配置が変わっているような気がするのは、気のせいかな。
あっ。
でも、やはりTシャツ等が山積みされているところを見ると、同じショップだ。
そこは、大好きな高橋さんの香りのショップだった。 
高橋さんの香りのショップと言っても、前面に展開しているのはアパレルなのだけれど。
床がウッド調になっているので、ヒールで歩くとコツコツと音がする。
ああ。 独特の香りがする。
そして、それは高橋さんの香りに相通じるものがあり、とても心地よい空間。
あった!
前回買った、私が命名した高橋さんの香りのコロン。
これ、これ。
また、買っちゃおうかな。
ふと振り返ると、高橋さんが店員さんと話していたので、高橋さんの香りの他にもあるコロンの香りをテスター紙に少しずつ浸けてあれもこれも嗅いでみたが、やはり高橋さんの香りが1番好みだった。
やっぱり、高橋さんの香りだけあるわ。 と、勝手に再認識したりしながら、1人で楽しんでいると高橋さんが傍に来た。
「そんなにクンカクンカ犬みたいにしていると、そのうち鼻も犬みたいになっちゃうぞ」
はぁ?
「な、何、言ってるんですか。 そんなわけ……」
「まあ、元々、オマケみたいな鼻だけどな」
「もう! 高橋さん」
「牛も、健在か」
「からかわないで下さい」
「からかってない。 本音を言ったまでだ」
「本音って……」
「どれか、買うのか?」
高橋さんは、コロンを2つだけ手に持っている。
「えっ? 高橋さんは、2本しか買わないんですか?」