きっと、高橋さん。 遅いから、心配してるよね。 
あれから、かれこれ2~30分は経っている。
ふとベンチを見つけ、取り敢えず座って考えることにした。
地図を広げ、どうしたら戻れるかを思案する。
Rest roomと書いてある所がこのフロアに5ヵ所もあって、何処のRest roomに自分が入ったのかが分からない。
落ち着け、私。
あっ。
そう言えば、 『じゃあ、俺はこの辺で待ってるから』 と、高橋さんが言ってた場所の近くに薬局があったことを思い出した。
Pharmacy? 
Drug store?
アルファベット順になっている、パンフレットの見出しで探す
あった!
Drug storeはなく、Pharmacyはここにある1件だけだから、この近くで高橋さんが待っていてくれているはず。 
だから、ここから1番近いRest roomに私は入ったわけで……。
自分が戻りたいだいたいの場所が分かったので、近くに居る人に勇気を出して、今、私が居る場所が何処なのかを聞いてみると、高橋さんが待っている場所からは、だいぶ離れてしまっていた。
何とか、パンフレットの地図を頼りに戻ろうとしながら、何度も曲がり損なったり行き過ぎてしまったりしたが、ようやくさっき入ったRest roomと思われる場所まで戻って来ることが出来た。
そして、何となくこっちの方角がメインストリートだったと思い出して歩いているうちに、だんだん見覚えがある風景が見えてきて、この方向であっていることも分かった。
良かった。