「また、やっちゃった」
エッ……。
高橋さんの後ろから覗き込むと、床にイトウのご飯が散乱していた。
「ククッ……。またやっちゃったんですか?」
その光景が可笑しくて、思わず笑ってしまった。
だって、本当に高橋さんって不思議な人なんだもの。
もの凄く大人だと思う時もあれば、今みたいに本当に子供みたいなところもあって、掴み所がないというか、謎が多いというか。
「そう。 またやった。 ハハハッ……」
一緒に床に散乱してしまったイトウのご飯を拾い、シンクの横に積み上げ終わると高橋さんが私を見た。
「買い物に、行くか?」
「そうですね」
それから程なくして、着替えて買い物に出掛けた。
前回走ったと思われる、見覚えのある道。 同じ景色。 同じ匂い。 それをまた感じられて、ささやかな喜びを感じる。 そして、New Yorkでまた高橋さんと一緒に過ごせることが嬉しい。
ショッピングモールで昼食を済ませ、そのまま中にあるスーパーで買い物を終えた。