「何を言っているの、中止なんてするわけ……」



和輝くん、いい、かな……?

しようと思ったことを伝えようと、必死にアイコンタクトを送ってるけれど、和輝くんに伝わるかな?



「…………」



あっ、伝わった……!

こくこくうなずいてくれてる!!しかも結構笑顔で……。

私は和輝くんの同意を得たことを知って、ゆっくりと和輝くんに近づいて行った。

え、待って今更だけどこういうのってどうやってするの?初めてなんですけど……!?

よくわからないまま顔を近づけ、唇が重なるかどうかといったところで、和輝くんが微笑んだ。



「……っ!?」



キスをしたのは私だったけど、その後は和輝くんがリードしてくれた。

和輝くんのお母さんとお見合いのお相手さんが目を見開いているのが視界の隅に映った。諦めてくれるといいんだけどな……。



「私、和輝くんが好き……!」

「うん。俺も先輩が好き。振り向いてくれてありがとう」

この後の私たちがどうなろうと構わない。

今はただ、和輝くんとこのまま一緒にいたい―――。