「血、吸わないと、俺死ぬ……」
そっか、和輝くんヴァンパイアだから人の血吸わないと生きていけないんだもんね……。
それにしてもこんな和輝くん今まで見たことない。一体どうしちゃったんだろう……。
「俺ね、ここ二週間一滴も血吸ってないからやばいわ」
「二週間も!?なんで!?」
「先輩追試の勉強頑張ってたし、迷惑かけたくなかった。でもだからって他の子から吸うのは違うなって」
え、和輝くん、血を吸わないと死んじゃうのに、私の都合の方を優先してくれてたの……?
それなのに私は、自分のことばっかりに必死になって……。
「和輝くん、今までごめんね、血吸わせてあげられなくて」
「え、待って先輩、今俺極限状態だから一回吸ったら止められなくなる……!」
「双葉、無茶だ!相手は血に飢えたヴァンパイアだぞ、今吸われたら人間には耐えられないほどの負荷が……」
「いいよ、それでも」